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2017年1月27日金曜日

筋トレ: 筋肉を鍛えるのか、関節動作を鍛えるのか?


私はボディビルディングや美しい体形ではなく、単に健康維持のために筋トレをしています。そんな私が筋トレメニューをこなしているときよく頭をよぎることがあります。

「この筋トレ種目は筋肉を美しく鍛えるためにやっているのか?それとも日常生活で必要な関節動作を鍛えるためにやっているのか?」

どちらが「正しい」という議論ではないことをあらかじめお断りしておきます。単なるトレーニングを行う人の目的意識の問題です(笑)。




骨格筋という言葉があります。厳密な用法はプロの方々にお任せするとして、とりあえず骨格を動かすために関節動作に貢献し、心臓などと違ってその多くを私たちが意識して動かすことができる筋肉とだけしておきましょう。例えば肩関節を例にとってみると表層(手で触ることができる部分)では、
  • 三角筋(前部・中部・後部)
  • 大胸筋
  • 広背筋
  • 上腕二頭筋 
  • 僧帽筋(中部・下部) などなど
また深層方向へ行くと
  • 小円筋
  • 棘上筋
  • 棘下筋
  • 肩甲下筋 
いわゆるローテーターカフと呼ばれるものなどなどがありますね。私のような素人が筋トレというと手で触れて確認できる筋肉を意識してトレーニングすると思います。大雑把に「主働筋」を鍛えるという言い方がされる場合もありますね。

ついでに復習しておくと、筋肉の分類として「主働筋」「拮抗筋」「協働筋」「固定筋」というものがありました。「主働筋」が動くためには「拮抗筋」がきちんと緩んでいなければならない(ただし現実の動作では両者が共収縮する場合も多いのでバランスをとることが重要となるでしょう)。現実の身体動作において「主働筋」が効率的に能力を発揮するためには「協働筋」のサポートを受けなければならない。「主働筋」がきちんと動作するためにはその安定した土台として「固定筋」がしっかり支えなければならない(大砲を打つためには、その砲台が強固である必要があるのと同じですね)。「動作」というのに着目すると動作サイクルにおける筋肉の収縮様式変化の連続性の観点も重要になるのでしょうが、とりあえずこのエントリでは触れません。


また後述の説明のために肩関節の動作パターンについても復習しておきます。
  • 屈曲
  • 伸展
  • 外転
  • 内転
  • 外旋
  • 内旋
  • 水平外転
  • 水平内転
このように肩関節は非常に自由度の高い可動域を持っていますね。私の体をデザインしてくれた自然界に感謝!


さてここまで釈迦に説法な内容が続きましたがご容赦を。ここからが本題です。

ジムでトレーニングに割ける時間は何かと忙しい私たちユーザにとって限られています。筋トレをするときに筋肉それぞれに注目するか、それとも関節動作に注目するかでトレーニング種目の組み方や効果を得るための効率性に影響してくるのではと個人的に思っています。

例えば先ほどの肩回りについて考えると、それは前者は「三角筋を鍛える」という意識か、後者は「肩関節の動作パターンを鍛える」という意識か、ということになります。言い方を変えると「美しい肩のラインを作り上げる」ことが主目的か、「普通の日常生活において肩の障害やケガを防止したり効率的に動かす訓練をする」ことが主目的かのトレーニング目的の「優先付け」の問題ですね(ジムのフリーウエイトエリアにお邪魔すると筋トレそのものを楽しんでおられるマゾな方々(失礼!)もいますけれども・・・)。自然界は前述したような非常に自由度の高い肩の動作パターンを私たちにプレゼントしてくれました。しかし、私のようにデスクワークが中心の生活をしているとそれらの動作を有効に使えていない場合も多い気がします。よって、ボディビルダーを目指していない私にとっては、後者の「動作」の目的のためになるべく短時間で効率的にトレーニングをしたいわけです。筋トレって辛いし・・・というのが実は本音だったりしますが(笑)。

ということで私は筋トレをする際には、各関節の動作パターンをまんべんなく行えるような種目をピックアップしてサーキット的にメニューを組んで行っています。肩関節をまた例にとると、

  • 屈曲→伸展→外転→(略)→水平外転
  • フロントレイズ→ダンベルロー→サイドレイズ→(略)→ダンベルベンチプレス

その日のトレーニングでは例えば「ビッグ3+肩の動作トレーニング」を中心にやるなど、日によってフォーカスする部位を変えて、時間が許せば2~3周このローテーションを繰り返したりしています。時短のためにはスーパーセット法も取り入れたいところですがキツイので断念中です(笑)。

また意識性の法則を借用して、目的としている関節動作の軌道パターンとそこで使われる主働筋のうち主な2つから3つを意識して行うように心がけています(実際にきちんと行うのはすごく難しいですけれど・・・)。例えば上の肩関節の屈曲の例で言うと三角筋(前部)、大胸筋(上部)、上腕二頭筋ですね。


実は先日、素晴らしい本に出会いました。

  • 「筋肉の使い方・鍛え方パーフェクト事典」 荒川 裕志 (著), 石井 直方 (監修)  ナツメ社 (2015/9/10) ISBN978-4-8163-5326-0

この本ではまさに各関節の動作パターン(可動域)という観点でトレーニング種目をリストアップしてくれています。また非常に素晴らしいのは関節の動作パターン毎にどの筋肉が貢献しているのかのランク付けリストが掲載されている点です(肩関節屈曲では、1位:三角筋(前部)、二位:大胸筋(上部)、三位:上腕二頭筋など)。以前は筋トレ種目から各関節の動作パターンを探すという非常に面倒なやり方でネットを検索したりして、おそらくは不正確な筋トレ種目をピックアップしてしまったりしていたのですが、この本のおかげで最近はその悩みや苦労も必要なくなりました。荒川先生、石井先生に心から感謝です。


関節動作を意識しつつかつフォームの維持をきちんと行いながらトレーニングをすると、前述した協働筋や固定筋や最近話題の「筋膜」をうまく機能させる訓練にもつながるのではないかと個人的には感じていますが、それはストレングス・トレーニングではなく、最近よく目にするファンクショナル・トレーニングのボキャブラリーを使って議論したほうが分かりやすいかもしれませんね。いずれViPRネタとしてこのブログでも議論したいと思います。

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