注目の投稿

Group Fight: MOSSA本家による解説(1) - ジャブ編

MOSSA本家によるGroup Fight基本動作の解説動画のご紹介です。よくある間違いと正しいフォームについて説明されています(下図は画像なので動画を再生するにはその下のリンクをクリック)。 MOSSA Facebook Let's Move (2016年...

2017年2月4日土曜日

Group Active / Group Power: デッドリフトで膝(ヒザ)を軽く曲げるのはナゼ? - 実は「筋膜」が関わってます

Group ActiveやGroup Powerではおなじみの種目、デッドリフト。もちろんOct16リリースにも入っています(下の動画では20秒あたり、パワークリーンの前にツーバイツーのデッドリフトが入ってます)。



デッドリフトやデッドロー(ベントオーバーローイング)を行う際、インストラクターの方からお尻を突き出す(骨盤を前傾させる)指示とともに膝を軽く曲げるようにアドバイスを受けることが多いと思います。そうすることでお尻を突き出したり上体を前屈させることが楽になります。つまり、膝(ひざ)をほんの少し曲げるだけで脊柱や股関節を楽に制御できるようになるわけです。

これには実は筋肉と筋膜のしくみが深くかかわっているというトピックです。

筋膜とは筋肉の筋繊維やその束をまとめあげている軟部組織(膜)であり、ボディスーツのように私たちの体を覆っています。

例えば上腕二頭筋は肘(ひじ)関節を曲げる(屈曲)、上腕三頭筋は伸ばす(伸展)として、それぞれの筋肉はそれぞれ独立した働きを持っていますから直接つながることはできません。しかし、筋肉は筋膜によって繋がっており、筋肉が連動したり協働したり影響しあったりする際に深く関わっていることが盛んに研究や臨床によって明らかになってきているそうです。

その中の一つに「アナトミートレイン」という理論があります。詳しいことはプロの方々にお任せしますが、全身を覆っている筋膜にはそれぞれ別々の機能を持った特定の筋肉を繋げるラインが複数存在するという考え方に基づいているそうです。例えば立っている姿勢の時に体をまっすぐに保ち安定させる機能を持った連動する筋肉と筋膜のラインです。筋肉で生み出された動きを効率的に他の筋肉へと連動させる役割をそのライン上で筋肉間を繋げている筋膜が果たす、つまり筋肉(駅)で生み出されたパワー(電車)を全身へ運ぶのが筋膜(線路)というわけです(「筋肉-筋膜-筋肉-筋膜-...」のライン)。

その筋肉(駅)と筋膜(線路)のラインの一つに「スーパーフィシャルバックライン(SBL)」と呼ばれる身体の背面で足元から頭の先(足裏 - ふくらはぎ - 腿裏(ハムストリングス) - 腰 - 背中 - 首の後ろ - 頭皮)まで繋がっているラインがあるそうです。以下は「とある理学療法士による暇つぶしブログ」さんのブログにある画像へのリンクです(多少グロ注意)。

筋筋膜経線その1 スーパーフィシャルバックライン(SBL)について [2015/08/20]

スーパーフィシャルバックライン(SBL)の標本(1)
スーパーフィシャルバックライン(SBL)の標本(2)


この筋肉と筋膜のラインは立位の姿勢のときに直立を維持させ、背中が丸まったりすることを防いでくれているそうです。逆に言えば「スーパーフィシャルバックライン(SBL)」が機能した状態だと体を前屈する(屈曲させる)動作、つまりデッドリフトの前屈の動作範囲に制限がかかるということになります。

しかし、膝(ひざ)をほんの少しでも曲げると、その足元から頭の先まで突っ張って全身の直立姿勢を保たせていた「スーパーフィシャルバックライン(SBL)」において、そのライン上にある腿裏(ハムストリングス)とふくらはぎ(腓腹筋)の間の膝(ひざ)の位置で「筋筋膜の繋がり」が途中で切れるようにできている(正確には別機能を果たすようになる)そうです。これにより脊柱と股関節を前へ曲げることが楽にできるようになります。確かに下に落ちたものを拾う際にも私たちは軽く膝を無意識に曲げますね(逆にお辞儀をする際には膝を曲げないので安定しますね)。


デッドリフトを行うときに軽く膝(ヒザ)を曲げるという単純な動作にも実はこんな筋肉と筋膜との深いかかわりがあったのですね。


余談ですが・・・「スーパーフィシャルバックライン(SBL)」上の筋緊張バランスがとれていないことで起きる症状もあるそうです。例えば上では「首の後ろ」と書きました具体的には「後頭下筋群」。それらは眼球運動に深く関係しているそうです。つまり、事務仕事やパソコンの作業で目を酷使すると、同じライン上にある腰や背中が痛くなるなんてことも起こる可能性があるそうです。原因がよく言われるような座る姿勢の悪さのせいだけではないなんて・・・筋肉と筋膜って奥が深いですね。

0 件のコメント:

コメントを投稿